2019年1月に見た映画まとめ
勝手に今年の目標の一つに月に最低4回は映画館に行って映画を見るに設定したので、目標の到達確認と備忘録を兼ねて毎月見た映画をまとめて記録していきたいと思う。
今月は2週目まで海外に行っていて、そもそもスタートが遅かったこともあって映画館で映画を見たのは3回になってしまい、早速目標が達成されないこととなったがトータルでは6本見れたのでペースとしてはいいのではないだろうか。
1. 映画館にて
マチルド、翼を広げて
精神障害を持つ母親とその娘マチルドの親子の愛情を描いた話。
何気なしに見る映画を選んだので、予備知識なしにみたら、突然フクロウが喋りだしたので驚いた。
マチルドの母は既に離婚しており、精神障害を持っているが故に孤独である。一方のマチルドはというと、そんな世間的にみたらキテレツな母親と一緒にいる、ということで学校のクラスメイトからはいじられ孤独である。
孤独同士の親子がお互いに懸命に生きていく、そしてその間を繋ぐ存在としてのフクロウが物語を進ませていく。
途中挿入されるマチルドの作り話と思われる、童話的で幻想的なシーンが物語と彼女の深層心理を暗示しているとともに非常に詩的でフランス映画らしい。
フランス映画らしさ、といえば主役のマチルドのファッションがオシャレすぎる。9歳とは思えないほどのセンスの良さだった。 本編とは全く関係ないが、途中ある小学校の学芸会で歌う合唱曲がとてもプーランクっぽい和音と進行で、こんな難しい曲を小学校でやるのか、と思った。エンドロールを見ると、どうやら本当にプーランクの曲だった。
A GHOST STORY (ア・ゴースト・ストーリー)
映画『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』公式サイト youtu.be
幽霊が主人公の映画。 妻と二人で暮らす男が交通事故で死んだあと地縛霊となり元住んでいた家に住み着いて時を過ごしていく話。
特徴
- 画角がユニークで、アスペクト比が4:3かつ画面のエッジが丸くなっていてレトロな雰囲気。
- 構図と色彩感に非常に監督のこだわりが感じられる。シンメトリックな構図、彩度少し落としめのフィルムカメラの質感。
- セリフが非常に少なく、画で魅せる映画である。(長回しでウトウトしてしまったけど
非常に幻想的な話なのだが、死んだあとも妻のことを思い孤独に過ごす主人公の幽霊が切なすぎる。
彼女との思い出が詰まった家から出ることもできず、新たな人生を選んだ妻を追うこともできず、新しく入居してきた家族には半ば八つ当たりをする。
しまいには、幽霊にもかかわらず辛くなったのか投身自殺を図る。ここで奇跡が起きたようで幽霊の思いは時を超え、その思念は過去へと遡る。
ここで、冒頭の家で起こる怪奇現象の謎が明かされるわけだが、そうして時を超えた彼はようやく最後にやすらぎを得ることができたことは救いである。
非常にアートで見応えのある映画だった。
劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly
言わずもがな、な大人気PCゲーム・アニメの劇場アニメである。
学生の頃、多分最初にオタク仲間にそそのかされて『空の境界』を読んでから、奈須きのこにハマっていったのが懐かしい。原作のゲームも寝る間も惜しんでプレイしていたような記憶がある。
今回は、3人いるヒロインいるうちの桜がメインのルートで、一番エログロ描写やストーリーが激しく賛否両論が分かれる話である。
原作から家庭用ゲーム機に全年齢版として移植する際、上記の描写が当然ながら修正されるわけなので、今回の映画はどうなるのかしらと思って見に行ったら、意外とそのままに描いていてよかった。(とはいっても原作をやったのが過去の彼方なので正直あまり覚えていない。
劇場版ということで、制作に相当のお金と時間がかかっているのが分かる作画である。中盤の戦闘シーンのグリグリ動くカメラワークは流石の迫力。もはやエヴァだった。
あとは、中盤の雨が降る中抱き合うシーン、実写ドラマや映画のような構図でありながらアニメにしかできない動くカメラワークが面白かった。
さて、最終章は来年の春。どちらのエンドになることやら。
2. Netflixにて
消されたヘッドライン
もともとはイギリスBBCのサスペンスドラマで、それのハリウッドリメイク。
ある日発生した殺人事件とその直後に起こった女性の自殺事件が徐々に結びついていき…という推理サスペンス。
主人公は警察ではなく新聞記者。ラッセルクロウのくたびれた中年男性の演技は貫禄たっぷりである。
時間を経るごとに、巨悪が明らかになっていき…とどんどんスケールがアップしていきスリルも増していく中、まさかのオチには消化不良感が否めない。
例えば、さらなる巨悪が明らかになり事件は解決とは程遠く…の方が後味が良かったと思う。 レイチェル・マクダミアスがかわいい。
わたしは、ダニエル・ブレイク
現代イギリスの暗部を深く抉り出したケン・ローチの渾身の作品。
彼は病気に蝕まれたのではない、国家に衰弱させられていったのだ。
シングルマザーと彼女の子供との交流を機に生活に僅かながらの希望を見出していくダニエルと観客に残酷な現実が突きつけられる。
私達が普段使うコンピュータ、インターネット、SNS。そんなものとは全く無縁の主人公は情報弱者であり社会的弱者。 決して日頃メディアがすくい上げることのない彼らの現実を正鵠に射るこの作品は現代民主主義国家の社会福祉制度にそびえ立つ壁をありありと描写している。私達は決してそれから目を離してはいけないのだと訴えかけてくる作品。
アメリ
とってもキュートなフランス映画。 アートな側面も強いが脚本はそこまで破綻しておらず、楽しんで見れる。
伏線の回収やカットのつなげ方が少々唐突だったり分かりづらい部分もある。
赤や黄色など暖色系の色を多用していることも、シュールな内容にもかかわらず画面から暖かくほのぼのした雰囲気を出す要因か。
幼い頃から引きこもり空想の世界に生きてきた主人公が、今度は他人の幸福を手助けするようになるが、自身の幸せとなると奥手になってしまい… という乙女な描写が可愛すぎる。