Nmoominのブログ

日々の記録を主に

京都・渉成園の梅と桜

先日京都に行ってきた。

 


といっても旅行ではなく出張ではあるが。
余り観光の時間が取れなかったが、帰る前に京都駅周辺でどこか観光できるところということで東本願寺のお隣、渉成園に行ってきた。入場料として500円*1かかる。

庭園自体はこじんまりとしていた回るだけなら30分もかからないだろうか。 

 

その小さな中にも目を引くのは中央に大きく広がる印月池とそこに浮かぶ小島を結ぶ侵雪橋。

 

 

小島から対岸を望んだ景色も水が透き通っていて見事である。

唯一の欠点は、市街地の真ん中にあるため、写真を撮ろうとすると付近のビルがどうしても入り込んでしまうことだ。(これは東京の浜離宮恩賜庭園と似ている。

 

これは橋の上から撮った写真。京都タワーが写り込んでいるが、これはこれでアリ?

 

 

園内には四季折々の花々が彩られ、その変化する景観は「十三景」と呼ばれるそうである。

ここを訪れたのは3月中旬、桜と思われる木々がたくさんあったが、残念ながらまだつぼみのものばかり。

 

 

しかし園内中央部にある傍花亭前の桜だけは見事に咲いていた。

どうやらシュゼンジカンザクラと呼ばれる品種で、早咲きの桜であるらしい。

 

 

 

 

 

他にも園内には梅が綺麗に咲いていた。

 

 

短い観光時間だったが、満足する訪問だった。惜しむらくは桜を愛でるには少しばかり時期が早すぎたことだろう。

 

京都駅からすぐ近くにあるので、もし京都に来てホテルに行くまで/帰りの新幹線までちょっと時間があるようなら是非とも立ち寄るのをオススメする。

 

 

 

 

*1:500円以上の寄付をお願いします、と書いてあるが受付では普通に500円になりますと言われた。それ以上は気持ち、ということなのだろう。

Bobbyの新作バックパックがKickstarterに登場している

 

世界的に流行している新進気鋭のバックパックのブランドにBobbyというものがある。

www.xd-design.com

Kickstarterクラウドファインディングを行って大々的に成功した歴史がある。(現在はAmazon等からも購入が可能

丸みを帯びたデザインと豊富なカラーバリエーションでポップな印象があるが、実はこのバックパックの最大の特徴はAnti-theft、つまり盗難防止のための工夫が随所に盛り込まれている。詳しい機能はホームページを見てもらえば分かるが、これでもかというくらいに盛り込まれたその工夫は例えば海外旅行に行くときに重宝しそうなものばかり。

 

実際、先日海外に行ったときもこのバックパックを背負った旅行者をたくさん見かけたし、日本でもここ半年で背負う人をちらほら見かけるようになった。(爆発的に流行ったせいか、パクリや偽物まがいのものも見かけるけれど

 

そんなBobbyが昨年出した新作がビジネス向けのBobby bizz。無骨だけどスマートで合理的なデザインに一目惚れした自分は即Kickstarterで予約。

 


Bobby Bizz - The Best Anti-Theft briefcase and backpack

 

届いてからずっと愛用しているが、使い勝手にはほぼほぼ満足している。(背負ったまま中身を開くのがちょっと煩わしかったり、意外と容量が少ないのが難点)

 

で大学に行くときには現状ノートPC+トラックパッド+HHKB+デジタルペーパーを持ち歩いている自分としてはもうちょっと容量があって取り出しやすいのがいいなーと感じていた。

 

 

そんなときにBobbyの新作が出るとのニュースが回ってきた。その名もBobby Urban。

www.kickstarter.com

 相変わらずのAnti-Theftに加えて容量も上の取っ手を調整することで22Lから27Lまで対応することができる。そもそもの容量が大きいのでガンガン荷物を入れられるし、ちょっとくらいの旅行ならこれだけで行けそうである。取っ手のところのロック機能も、カフェの椅子などに簡単につけられそうでトイレに行くときに荷物が取られないか余計な心配をすることもなさそう。(Bobby bizzにも同様の機能があるが意外に取り回しが面倒で使っていない。)

 

残念ながら一番安く購入できるSuper Early Birdは瞬殺で売り切れてしまったようだが、次点のEarly Birdは2018年3月13日午後10時半(JST)現在後200弱ほど残っている。

€75かつ送料無料で日本まで送ってくれるので、気になった人はぜひともプレッジしてみてほしい。

Early Birdが売り切れても、Kickstarterなら€80で買えるが一般販売後に日本に輸入しようとすると倍くらいの値段になるので今のうちにプレッジしておくのが良いと思う。

かくいう自分も見つけたその日に注文しました。

 

河瀬直美『光』を見た。

先日、飛行機の中で河瀨直美監督の映画『光』を見る機会があった。

彼女の作品は『萌の朱雀』と『殯の森』を見たことがあるが、どちらも自然や人間どうしの間の撮り方が上手く、お気に入りの作品だったのでそこそこ期待していた。

実際、先述の撮影技巧のみならず俳優の方々の演技が素晴らしく、作品の中に引き込まれた素晴らしい映画だった。


話はこうである。
視覚障碍者のための映画音声ガイドを作成するヒロイン・美佐子がとある映画のガイド作成のための意見交換会で視力を失いつつあるカメラマン・雅哉と出会う。 美佐子の作ったガイドを「これなら、ない方がいい」とバッサリ切り捨てる雅哉に苛立ちながらも徐々に彼に惹かれて始め… 
といった具合だ。

以下にこの作品のどこが良かったかをネタバレ含めて書き留めておく。


まずこの映画が扱う主題の一つである「言葉の力」について。
基本的には美佐子が作った映画ガイドについて視覚障碍者の人たちを招いて意見交換会を繰り返して開きながら話は進んでいく。
雅哉から厳しい言葉を浴びせられる美佐子だが、実際に彼女の作ったガイドは素人目でもあまり上手くないということが分かる。 
このシーンでハッとさせられるのは視覚障碍者の人たちから発せられる台詞の数々。
雅哉から最初に指摘されるのは「このガイド、君の主観だよね」という一言。 
その他にも「ガイドに間が感じられない」、「私達の想像力を信じて欲しい」(これはうろ覚えだ)
など。
最も説得力を持って胸に響いたのは役者の中で一人だけ入っていた実際の視覚障碍者の方の
「自分たちはスクリーンを観ているんじゃない、映画の中に入って、もっと広い世界を感じている」
という台詞。これはしかもアドリブらしい。*1

台詞それ自身だけでも素晴らしいけれど、やはり実際の視覚障碍者の方に言われると言葉の重み、響き方が断然に違う。これはある意味ズルい。
私達は普段言葉を介して意思疎通を図るわけだが、如何に視覚や聴覚といった他の感覚に頼っているかということに気づかせてくれるのである。
この文章もそうであるし、映画や美術、読書など芸術一般の論を説いてみようとしたときに自分の語彙力もしくはそれに付随する想像力の貧困さに悩む自分にとって、彼らの台詞は余りにも瑞々しく、美佐子を通して自分自身への指摘にまさしく感じられるのだ。 


特に良かったシーンの一つはカメラマンの雅哉が美佐子の顔をその大きな手で触り、撫でるシーン。
余りにも生々しく官能的で、性行為の隠喩どころか性行為そのものじゃないか!と思ってしまったほど。と思ったやっぱりそれを意識して撮っていたようである。*2
大成功です、監督。
似たシーンとして新海誠の『言の葉の庭』中に出てくる足の採寸シーンがあるが、こちらは実写の分、よりリアルだった。

続くシーンで、美佐子と雅哉が一緒に思い出の夕日を見に行って彼が大切にしていたカメラを投げ捨て直後にキスする場面。(ポスターでも使われているところ)
かなり大胆で急なシーンだが命よりも大事なカメラを投げ捨てた後に相手を慈しむように、愛おしむようにするキスは光の使い方も相まって非常に情熱的かつ芸術的。そもそもその前に(ある意味で)性行為をしているのでここでのキスは個人的に納得できるし自然だ。


映画の終着点は、劇中で出て来る映画のラストシーンのガイドをどうするのかというところである。
劇中の主人公である老人は消えた妻を追い求めて海岸を歩いて行く。 
そこには大切なものを失ってもなお人は生きていく、生きてなければならないというメッセージが込められているわけだが、そこにカメラを失った雅哉が重なる。 
そうして美佐子が考えついた末にたどり着いた答えが「光」で、話としてよくまとまって出来ているなぁと素直に感心した。


河瀨直美の映画には、画の中の俳優たちがまさに生きているように感じられる魔力のようなものがある。それは彼女独特の撮影哲学や手法に依るところが大きいのだろうし、そういうところが評価されて今までカンヌで多くの賞を受賞しているのだろう。
レビューサイトなどを見て回ると、「眠くなる」「退屈」「人の顔のアップばかり」などとネガティブなものが多く余り人に勧めづらい映画監督の一人であるが、今回の「光」は比較的分かりやすく退屈することなく見れるのではないかと思う。
もし機会があったら是非見て欲しい映画の一つだ。